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mama!milk × Olectronica「竹田音楽」

2016年7月に、竹田市城下町をベースに竹田市に約1週間滞在制作をしたmama!milk(ママ・ミルク)。京都を拠点とする彼らが、「鐘」「水」「竹」をテーマに竹田の音風景を採集、「竹田音楽」が生まれました。夏に生まれた音源を取り入れ、竹田市を拠点に活動する美術ユニットOlectronica(オレクトロニカ)がインスタレーション作品を制作、展示します。廣瀬神社から城下町の眺望を目にしながら、民家をリノベーションしたカフェギャラリーで、城下町のさまざまな場所で。mama!milk(音楽)とOlectronica(美術)の、立ち位置の異なる2組の視点による竹田市城下町を是非お楽しみください。

 

会期 :2016年11月12日(土)、13日(日)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)

時間 : 11:00~17:00      

会場 : 廣瀬神社、gallery傾く家、参加スペース   ※ 入場無料

主催 : 竹田アートカルチャー実行委員会 / 共催 : 大分県

|テーマごとの作品について

「風景への参道」

キリシタンの祈りであるオラショ「ぐるりよざ」の原曲と推定されるグレゴリオ聖歌「O Gloriosa Domina」(16世紀スペイン)

廣瀬神社の境内に、普段よりも少しだけ高い場所から町を眺めるための、櫓(やぐら)のような小さな小屋をつくります。400年変わらない町割と、そこで営んでいる人々の日常。自然や文化を土壌に新たな文化が更新され続けています。その文化を受容する器のような町の包容力こそが、この町の「風景」です。mama!milkの「層」を感じる音楽とともに町に積み重ねられた竹田の日常を体感する作品です。

[楽曲]

 ●️ 鐘の音採集地:碧雲寺(夜)
 ● ️鳥の音採集地:岡城址(午前)
 ●️ 「たけたから」録音

 

グラスハープ(竹田の水、Osteria e Bar RecaDのグラス、grandpaのグラス):清水恒輔
オルゴール:生駒祐子
コントラバス:清水恒輔

※サンチャゴの鐘の音(竹田市所有音源)は、実物を録音したものです。

 

 

 

「添水装置―波紋」

佐藤義美作詞曲「グッドバイ」「犬のおまわりさん」「アイスクリームの歌」

始まりも終わりもなく、たんたんと湧き出る水。その水と寄り添い暮らす竹田の人々。城下町には水路がめぐり、日常の風景の中にも「水」を感じることができます。かつての民家を改修して作られた空間にて、オレクトロニカのライフワークであるwood figureを音楽と合わせて展示します。gallery傾く家を添水のような装置に見立て、そこから広がる水の風景を描きます。

[楽曲]

 ●️ 水の音採集地:泉水湧水(早朝)、大蔵清水湯周辺の水路(早朝)、久戸地区集会所(早朝)
 ● ️「たけたから」録音
 

口笛:大塚さん(竹田被服)
グラスハープ(竹田の水、光西寺 相良さんのグラス):清水恒輔
アコーディオン:生駒祐子
コントラバス:清水恒輔

「メヌエット:音の溢れる町」

瀧廉太郎作曲曲「メヌエット」

瀧廉太郎が渡欧前につくったピアノ曲「メヌエット」をmama!milkが竹田の音風景と「敬意」を組み込んで編曲しました。現在、竹田の町はさまざまな主体者によりひそやかな熱をもって変化しています。今回、ショップや公共空間など、町を舞台にmama!milkの「メヌエット」を流します。廉太郎が西洋音楽に出会い抱いた「敬意」に想いを巡らせ、未知と出会うよろこびをあらためて。

[楽曲]

 ●️ ️但馬屋老舗 / 山頭火ギャラリー録音
   ピアノ:生駒祐子
   マリンバ:清水恒輔

 ● ️竹田高校器楽部部室録音
   マリンバ:清水恒輔

 ● TSG竹田総合学院録音
   竹田の竹 (中臣一さんが火入れした竹):生駒祐子

 

 □ 「たけたから」録音
  ガラスの風鈴(magma glass studio):生駒祐子
  竹田踊りの竹カスタネット:生駒祐子、清水恒輔
  コントラバス:清水恒輔

|mama!milk「竹田音楽」AIR Taketa 2016

日程:2016年7月19日(火)~26日(火)

制作拠点:たけたから(大分県竹田市大字竹田町233-1)

 

日程:2016年7月24日(日)15:00~18:00

会場:制作拠点:たけたから(大分県竹田市大字竹田町233-1)

 

|mama!milk AIR Taketa 2016「竹田音楽」によせて / mama!milk

作品について

竹田の下見を通して最初に嬉しかったことは、岡城のもとで何百年にも渡って築かれてきた文化がそのまま生き生きと根付く中で暮らす、おおらかで優しく誇り高い人たちに出会えたこと。

それから、何故、オレクトロニカのお二人は美術作品の制作の拠点として、世界中の街の中から竹田を選びとったのか、とてもよく分かったこと。

そこで今回のAIRでは、私たちmama!milkも、この街の方々が竹田の自然風土に寄り添い築いてきたあらゆる事への敬意を礎に音楽を作りたいと考えました。

それは、オレクトロニカの美学が凝縮された作品の一つ……新鮮な美しさで私たちを楽しませてくれる「傾く家」ような音楽になるかもしれません。

この音楽がサウンドトラックとなって、また竹田の街で新たなオレクトロニカのインスタレーションが生み出されてゆくことを楽しみにしながら。

竹田の街

豊かな水の音、竹の音、鳥の音など、初夏の竹田の賑やかなこと。

何百年も前から今と同じ様に、あらゆる文化や物作りを大きく深く受け入れてきたこと、またそれらが確固とした意思によって守られてきたことが、街のいたるところで感じられること。

mama!milkは、まず、この地の音風景(サウンドスケープ)をフィールドレコーディングします。

その音から、この街で受け継がれてきたメロディによるモチーフを浮かびあがらせます。

例えば、いつも何気なく耳にしている街を流れる水の音から、不意にあのメロディが聞こえてきた気がするような。

白昼夢のような一瞬の驚き。

そして、またいつもの音に戻り、いつもの街の音にとけこんでゆく、というような。

 

|制作

滞在制作アーティスト 【mama!milk 】

Photo Report : 2016.7.19 - 7.26

7.19

午後、汽車で竹田入りしたmama!milkのおふたり。 まず着手したのは、音響機材の梱包をほどくところから。「制作拠点の立ち上げ」です。

7.20 - 21

制作拠点にて竹田市の豊富な美味しい【水】をテーマにグラスハープの録音。「水」「鐘」「竹」・・・素材を拝借して録音して。

7.23 - 24

湧水群、河川プール、作家のアトリエなど市内各所でフィールドレコーディング。音源が夏季限定にならないように、セミの鳴き声は入らないように☆

7.25 - 26

7/24は、「公開試聴会」という名の公開制作ディスカッション。夜は、「一品持ち寄り」でアートカルチャーメンバーとの歓迎会&懇親会。

■ Profile

■ mama!milk(ママ・ミルク)

音楽家の生駒祐子、清水恒輔によるユニット。1997年よりアコーディオンとコントラバスを軸に自由なアンサンブルを編成しながら世界各地でサイトスペシフィックな演奏を重ね、その音楽は「Japanese New Exotica」「旅へいざなう音楽」とも評される。舞台、映画、アニメーション、美術作品等のサウンドトラックも手がけている。生駒は手廻しオルゴールによるアルバム作品も発表。清水はサウンドデザインも担当している。

■ Olectronica(オレクトロニカ)

2009年、加藤亮(大分県大分市出身)と児玉順平(熊本県熊本市出身)(ともに 1984年生まれ)により結成された美術ユニット。自らの表現を行なう傍ら、「制作と生活」をモットーに活動を展開。生活の大半を制作で占める日々を過ごし ている。2011年に活動拠点を大分県竹田市とし、実験的な多目的空間「gallery傾く家」をオープン、アートプロジェクトの企画運営、自らの生活を支えるための商品製作などに取り組む。

お世話になっているみなさま

今回のプロジェクトにつきまして、以下の方々をはじめ、多くのみなさま方に、多大なるご協力ご支援等々をいただきました。この場をお借りし御礼申し上げます。ありがとうございます。

【鐘】 碧雲寺(鐘)、Osteria e Bar RecaD 桑島孝彦(ワイングラス)、cafe & gallery Grandpa 西田稔彦(ワイングラス)

【水】 大塚様(竹田被服/口笛)、竹下洋子(泉水湧水)、光西寺

【竹】 中臣一(竹)、岩田淳子(竹)、大分県立竹田高等学校器楽部(マリンバ)、但馬屋老舗(ピアノ)、竹田踊り(カスタネット)、Magma Glass Studio 井上愛仁、松井知恵美(風鈴)

【全般】 廣瀬神社(会場協力)、赤座照義(宿泊所提供)、ご近所のみなさま方、佐伯治(竹田市役所)、西山泰輝(竹田市役所)、中島亜紀子(竹田市役所)、新本聡
板井良助(但馬屋老舗)、草刈淳、gallery傾く家、WARAUHANA、瀧廉太郎記念館、旧竹田荘、TSG竹田総合学院、志保屋青果店、岡城趾、紺屋そめかひ

 

(敬称略)

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