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|INTERVIEW 2016

竹田アートカルチャーってなぁに?

大分県竹田市の城下町で2011年から始まったアートプロジェクトです。
今年は11月に、「TAKETA ART CULTURE 2016」が開催決定!!

 

・・・のまえに、
これまでを振り返りつつ、発起人であるオレクトロニカに今の心境を語ってもらいました。
「ありのまま」・「脚色なし」が持ち味のインタビュー企画。
オレクトロニカをご存じの方にはクスッと笑っていただけるような、
初めての方には少しでも興味を持っていただけるような、楽しさが伝われば幸いです。

MEMBER

児玉順平(Olectronica)
1984生まれ。熊本市出身。竹田アートカルチャー発起人&実行委員長。最近は、竹田図書館で出会ったミニマリストの本に興味を持ちコツコツ実践中。が、そろそろ限界か…。妻、2歳の男の子、犬(ピコ)と暮らしている。
加藤亮(Olectronica)
1984生まれ。大分市出身。竹田アートカルチャー発起人&イケメン担当。 先日中古のマイホームを購入。9月の福岡Krank-marcelloに向けての作品制作と、自宅の改修に明け暮れた2016年夏。夏終わるも、未だ終わらず。
聞く人:西田稔彦
大分市出身。Cafe Grandpaオーナー・会社員。竹田アートカルチャー2011より作品提供、その後Cafe Grandpaオーナーとしてイベントに関わる。今年から事務局として、企画運営にも参加している。

PLACE

取材したのは、8月の猛暑日。涼をもとめて、「中島公園河川プール」へ。

名水で知られる大分県竹田市。中島公園河川プールは、自然の川を利用した天然のプールです。
湧水が流れ込むひんやりと冷たいプールには、地形を活かしたすべり台があり子供だけでなく大人にも大人気。
竹田っ子の夏の思い出に、なくてはならないレジャースポットです。

http://www.taketan.jp/spots/detail/297

2011  はじまり。アーティスト自らが運営する強み。

西田

西田

  そもそもアートカルチャーが始まったきっかけは何だったの?
加藤

加藤

  「竹田でなにか面白いことをやりたい!」というのがあって

※大分県竹田市は、瀧廉太郎が「荒城の月」の構想を練った岡城跡がある400年の歴史をもつ城下町。
日本南画界の最高峰・田能村竹田をはじめ、古くから江戸・大阪・長崎など人的な文化交流が盛んで、
様々な文化を受け入れながら発展した土壌が今も息づいている。

児玉

児玉

 

お金もないから、知り合いのアーティストに声かけて、
何とかしてくれる人に来てもらってやった感じでした。
最初は7、8ヶ所くらいで。たくさんの人に助けてもらいながら、
やって良かったな、という手ごたえはありました。

   

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西田

西田

 

その第1回目が終わって、続けようと思った?

加藤

加藤

  「やるからには続けて質を上げていきたい」というのがありました。
1回で終わらせるという感じではなくて。
だからタイトルも「2011」ってつけて。

児玉

児玉

 

若気のなんとかですけど…、
「どこにもないもの、僕らならではのものをやりたい」って。

最初、売りとしては僕らアーティストが運営することで、
アーティストだからこそアーティストの気持ちが分かるかもって。
そういう強みがあるかなと思ったんです。

2012  やめようと思った2年目。

児玉

児玉

 

けど、それはそれでちょっと大変だったなって。
作品作りたくなるし。作ってたらイベントの運営できなくなるし。

加藤

加藤

 

僕らが竹田に来た時には想像もできなかったぐらい、
竹田に作家さんが来てくれたなぁっていうのがあって
アートカルチャーに関わってくれる作家さんも当初の3倍くらい。
そこを運営側として、企画段階からどうまとめていくかっていうのは
今でもむずかしいですね。

※竹田市の移住定住政策で近年若い移住者、特に手仕事を持つ作家が増えている

   

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(録音できてる?と気にするオレクトロニカ)

児玉

児玉

 

「何が良い」とかって自分の意見でしかないから。
こういうコミュニティと関わるとなると、自分の価値観を言っていいのか、
好きなことやっていいのかっていう、そこの葛藤というか。
そういう矛盾を感じながらやってましたね。

加藤

加藤

 

2年目が結構ハードで僕らきつかったんです。

児玉

児玉

 

「もうやめよぉー!」って(笑)

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加藤

加藤

 

そうそう(笑)
「もぉ、やめようっ!!」みたいになって。
来年は・・・・

児玉

児玉

 

「せん!」って(笑)。
※せん…「しない」の意味。

加藤

加藤

 

「せん!」ってなったけど、
でもまわりから「今年はどうするの?」って話があって。

西田

西田

 

あぁ~

加藤

加藤

 

で、結局・・・

児玉

児玉

 

した!(笑)

2013 - 2015  反応が良かった3年目。クラフト(工芸)も視野に。

加藤

加藤

  で、店舗主体の内容をやったんよな。
西田

西田

 

それが3回目の【たけたふらく】?

たけたふらく=TAKETA ART CULTRURE 2013。
「ふらく」の由来は難攻不落の名城・岡城。竹田市内で店舗を持って頑張っている作家さんに絞り込み2日間開催。

開催店舗が一目で分かるように、竹田の名産・サフランで染めた黄色の旗をサインとして立て、来場者から好評を得た。

児玉

児玉

  ほとんどクラフト(工芸)だったんですけど反応は結構良かったんです。
加藤

加藤

  たとえば“お茶碗”とか、実用的なクラフト製品は分かりやすさがあって。
西田

西田

  うんうん。
加藤

加藤

  1・2年目はアート(美術)。たとえば竹工藝の中臣さんが参加してくれて、
インスタレーションをやってもらったりとか。
でも3年目の「たけたふらく」は反応も良くて、クラフトの需要もあるから
翌年以降はそこにもスポットを当てていった感じです。
西田

西田

  なるほどね。
加藤

加藤

  ただ、あれですね。自分たちの作品がほんと作れない。
2014 - 2015はオレクとして、運営と作家との両立の難しさを感じました。
徹夜で作り上げた作品を別府に運ぶ途中で落としたこともあるし・・・。
※通称「別府タワー事件」。
連日の徹夜で制作した数メートルの精巧な「別府タワー」を、展示場所の別府市へ運搬中、
軽トラの荷台から落下&崩壊させてしまったオレクトロニカの歴史に残る事件。
西田

西田

  じゃあそこから自分たちが納得いく作品というのはここ数年できていない?
児玉

児玉

 

・・・ないですね。

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加藤

加藤

  もちろん作品が大きいから良いってもんじゃないんですけど。
児玉

児玉

  最近は時間をかけてエネルギーをフルに使ってという作品が作れていないから。
加藤

加藤

  作りたいなと思います。

2016  大変さもある。それでも、面白いことを、この町でやりたい!

   

西田

西田

 

今年のメインプログラムは、mama!milk×オレクトロニカの【竹田音楽】だけど。
もう音源は聴いた?構想はどんな感じ?

児玉

児玉

 

聴きました。今年はあの作品を頑張ります!
構想はあるんですけど、2人の意見がまだ合わなくて。

西田

西田

 

じゃあそこに1つはエネルギーを使う?

加藤

加藤

 

今年はエネルギーの使いどころが結構あるんですけど(笑)

児玉

児玉

 

まぁ・・・あれですね。
僕ら言いだしっぺじゃないですか、アートカルチャーの。

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加藤

加藤

 

自分たちで始めたことだけど、2014・2015と
関わる人が増えてイベントの規模も大きくなったこともあって
自分たちの考えでは及ばないところもあるんですよね。
そこをどうしようかなというところが結構切実で。

西田

西田

 

最初のアートカルチャーって、実験的で無理してるのが面白いところもあって。
今年は店舗主体の企画になって、そういう荒削りなところはなくなるだろうなって。

加藤

加藤

 

ある意味、本当に人(=店舗)任せにしちゃう部分があるから、
イベントの「企画」という意味では甘くなるかもしれない。
でも、今まで5年間やってきてみんながそれぞれ経験してきたものもあるから。
新しく入ってきたものもあるし。だからそこは期待をしています。
ただ僕らが関われない部分がたくさんあるので・・・。

西田

西田

 

毎年、やってみないと分かんないよね。
もちろんそれは来た人が判断することになるんだろうけど、
こっちも期待と不安でドキドキするところはあるよね
(笑)。

児玉

児玉

 

(笑)たしかに毎年ホントそうですけど。
まぁ、広げすぎずに絞っていくしかないですよね。

西田

西田

  そうだね。
加藤

加藤

 

今までアートカルチャーの運営もしながら作家としてやってきて、大変さもある。
それでも、面白いことを、この町でやりたい!作品も作りたい!
それを実現するために、2016は、
店舗主体、町との連携を強化、みんなでやる!

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児玉

児玉

 

 乞うご期待!

 

これから   作品をつくりたい。今まで、関わりの無かった様な、大きな渦へと飛びこむ。

 

西田

西田

  ひとつ聞きたいんだけど。
(竹田の)町の人の受け止め方や雰囲気が変わってきたとか、感触としてある?
今年は町の人も企画に関わってもらおうっていう企画が上がってるけど。
児玉

児玉

  少しづつ、町の人との接点や関わりが増えてきていると思うんですよ。
加藤

加藤

  市外の人たちの反応が良かったり期待してくれる声が大きいので、
その力を借りながら少しづつ竹田の町の人たちにも
そういう期待感みたいなものが広がってくれるといいなと思います。
西田

西田

  オレもそっちの意見。外の人の方が反応が良いなと。
町の人との接点や関わり、こちらの働きかけも含めて、
まだまだ持ててない感じはするよね。
児玉

児玉

  それでも町の地元企業の人たちがイベントに来てくれるようになったり。
それこそ数人とか、本当にちょっとずつですけど、
町のファンが増えている気がして嬉しいです。
西田

西田

  最後に。
これからのオレクトロニカについては?
児玉

児玉

  オレクトロニカとしてはですよ(笑)、順調にいったら・・・
まず来月の福岡での展覧会は決まっているから。
福岡、東京行ったらもう・・・DSC_0277

全員

  どこ?
加藤

加藤

  名古屋・・・?
児玉

児玉

  戻るんかい!(笑)
加藤

加藤

 

一回ちょっと戻って(笑)

児玉

児玉

  ちょっと戻っての!?
加藤

加藤

  戻っての・・・東京!
西田

西田

  また(笑)?
加藤

加藤

  で、東京行っての、海外!!
けっこう行ったり来たりがあるけど、海外!!!

全員

  おぉぉ~

児玉

  でもやっぱり外を目指さないと。

西田

  それは目指してほしいな。

加藤

  常に、目標は高く!
今後、濃いプロジェクトとして、アートカルチャーを続けていく為には、
僕らオレクトロニカ自身のレベルアップが必要不可欠です。
その為に、良い作品を作ることはもちろんですが、
新しい繋がりや、今後の発展を見据えたアートカルチャーの在り方を模索しています。
今年は今の竹田の現状を踏まえ、店舗主体でどんな事ができるかを試みます。
是非来て、竹田の今を観にきてもらいたいです。
     
photo by SATOSHI SHINMOTO

編集後記

今年で6年目を迎える竹田アートカルチャー2016 。
この6年で、竹田市には、竹工芸作家、陶芸作家、映像作家、デザイナー、画家、料理人、彫刻家、木工作家、ニット作家などたくさんのクリエーターが移り住み、表現活動をする町に変化してきました。様々なアーティストが主体になれるアートイベントができるのが今の竹田の強みかもしれません。

古くから続く城下町の文化の素地があり、南画家 田能村竹田、瀧廉太郎など様々な文化人を輩出してきた土地がらに、外から様々な文化活動をする現代の作家が流れ込み、また新しい文化の流れを作り出せそうなこれからの竹田。

まるで、文化の総合デパートのような町になってきた感じがある今年のアートカルチャー2016。城下町全体を美術館に見立て、そこを舞台に様々なアーティスト展示、体験企画が水平展開されていきます。乞うご期待!! 今年は、竹田竹楽と同じ時期に開催されます。晩秋の竹田にぜひ足をお運びください!

 

西田稔彦

 

photo|SATOSHI SHINMOTO 
editor|NAOKO SATO
producer|TOSHIHIKO NISHIDA

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