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|お披露目展「猿竹工芸商會のはじまり」


大分県豊後竹田(たけた)。トンネルをくぐらなければ辿り着けない町。岩と緑と水。現れるのは山水画を写したような風景。大分と熊本との境目あたり、周囲には九州を代表する山々が連なり、その恵みを享受し発展しました。岡藩の城下町としての面影を残しながら、幾多の過ぎ去った時代が交錯する町並み。流行り廃りの中にあっても自然に寄り添われて、400年。ずっとこの町はあります。そして、これからも続く営み。自由に、欲張らず、優しく。大事なことは自ずと町が教えてくれます。「猿竹工芸商會」はそんな小さな町で生まれました。

MAP-08お披露目展「猿竹工芸商會のはじまり」

■ 会場:傾く家分棟【ashu】(大分県竹田市竹田2115-1)
■ 日時:10/6(土)、7(日)、8(月・祝)、13(土)、14(日)、20(土)、21(日)、27(土)、28(日) 11:00〜17:00
■入場無料
■ 問い合わせ:090-6895-5986 / sarutakekougei@gmail.com(加藤)

デザイナー/猿山修 アドバイザー/山本千夏

【つくり手】
・猿山氏デザインのプロダクト制作
 ガラス工房 Magma Glass Studio(主宰:井上愛仁)/ガラス
 木暮らし舎(主宰:豊田豪史)/木工
 中西美香(「月函」店主)/陶芸
 西村和宏(「ヘソラボ」「WIRES」主宰)/デジタルファブリケーション

・猿山氏監修のプロダクト制作
 小河眞平(「paisano」主宰)/革・布

・作家オリジナル製品流通のアドバイス
 中村秀利(「WARAUHANA」店主)/照明

2017年夏にスタートした「猿竹工芸商會」は、デザイナーに猿山修氏、アドバイザーに山本千夏氏を迎え、移住者を中心とした大分県竹田市在住の作家とともに「作ること、売ること」をテーマにプロジェクトを進めてきました。
それぞれの作家の技術や感覚を活かしたデザインを軸に試作を重ね、使いやすく美しいプロダクトに仕上がりました。竹田という土地で、切磋琢磨する多種多様な作家がいることで生まれた、特別なシリーズです。素材はガラス・木・陶・布・革・紙等、多岐に亘り、ものづくりの町としての幅の広さと可能性を示しています。
湧水、高原、温泉・・・竹田の豊かな自然環境を背景に、山登りやピクニックなどのアウトドアでの使用を意識しており、専用の革箱や布袋に収めることで、お気に入りの道具を安心して好きな場所に持ち出し、愉しむことが出来ます。翼を得たプロダクトは、私たちに自由を与えてくれます。
小さな田舎町で、まだ生まれたての猿竹工芸商會ですが、私たちのプロダクトが世界中の多く方に愛される日を夢見ています。
本展示会では、猿山氏や参加作家/つくり手のこれまでの作品も併せてご紹介します。是非、情緒ある城下町竹田にお越しいただき、手に取ってご覧いただけたら幸いです。

猿竹工芸商會とは

《つくる》から《売る》までに挑戦する TAKETA ART CULTUREの新しいプロジェクトです。

猿竹工芸商會は、竹田在住クリエイターの共通課題である、『つくること』と『 売ること 』のレベルアップを目的にデザイナーやアドバイザーを招聘し、竹田で活動する作家と協働でプロダクトを開発します。

デザイナーに猿山修氏、流通アドバイザーに山本千夏氏を監修に迎え、《 美しさ 》と 《 つかいやすさ 》を追求したプロダクトを制作します。完成した新製品は2018年・秋にお披露目予定です。

また新作制作のみならず、買い手に届くまでをデザインの枠と捉え、竹田市で、ものづくりに携わる方たち(作家・アーティスト、ギャラリー、販売者など)への必要な技術や思考を講座などを通し共有していきます。流通や販売のスキルアップを通し、自己実現に向けた取り組みを竹田アートカルチャーが応援します。

デザイナー/アドバイザー

猿山修 Saruyama Osamu


1966年生まれ。東京・麻布にて、ギュメレイアウトスタジオ/古陶磁を含むテーブルウェア等を扱う「さる山」を主宰。グラフィック、プロダクト、及び空間デザインを広く手掛ける。各地の窯元等にデザインを提供する一方、陶工、金工等の作家との共作も多数。演劇、映像及び展覧会のための作曲・演奏活動も行う。

山本千夏 Yamamoto Chinatsu


1980年生まれ。 工芸等を扱うGallery Yamamoto(栃木県野木町)にて企画運営を行う。 猿山修主宰の「ギュメレイアウトスタジオ+さる山」では、広報、企画運営等、幅広く担当。 執筆も行う。

作家紹介

豊田 豪史(とよだ ごうし)

木工芸作家

1985年大分市出まれ。2012年静岡県清水職業訓練校木工科卒業の後、大分県湯布院町にて木地師の元で4年間の挽物修行を経て、2016年春に同県竹田市へ移住。自然に寄り沿った生活ともの作りを志し、屋号を「木暮らし舎」として独立。轆轤木地加工の仕事のかたわら、職人として培った確かな技術を活かし、オリジナル商品の製作も行う。日々の暮らしの中で長く愛用される物作りを心掛け、器やカトラリーを中心に様々な木工品を手掛ける。

小河 眞平(おがわ しんぺい)

革作家

1978年東京都生まれ。財布・名刺入れ等の革小物やカバン製作を中心に、作家として活動する。屋号は「paisano」。栃木県真岡市のランドセル製造メーカーに8年間勤務後、2017年7月に大分県竹田市へ移住。日本各地のギャラリーやショップでの展覧会、クラフトフェアに出品。余計な装飾を省いたシンプルなデザイン、細部にまで及ぶ丁寧な作り、植物タンニンなめしの牛革や柿渋染めのリネン等、使うほどに魅力を増す素材選びまで、徹底して行う。

マグマ グラス スタジオ(井上 愛仁主宰)

ガラス作家

吹きガラス工房 Magma Glass Studio (マグマ グラス スタジオ) ガラス作家・井上 愛仁(いのうえ なるひと)主宰。2015年に横浜市より大分県竹田市久住高原へ移設。若手ガラス作家の理想的な活動拠点となる土壌作り、その土地だからこそ生まれる、地域の特性を活かしたもの作り、企業や異素材の作家とのコラボレーションも勢力的に行う。井上自身は、20歳の海外への一人旅をきっかけに、ガラス特有の光に心奪われ、富山ガラス造形研究所でガラスアートを学んだ後、国内外の吹きガラス工房、尊敬する作家の元で修行後、2012年に独立し、現在に至る。光と影をテーマに、キャンドルグラスやランプ、花器等、実用性と芸術性を兼ね備えた作品を発表する。

西村 和宏(にしむら かずひろ)

WIRES主宰

2009年神戸芸術工科大学デザイン学科プロダクトデザインコース卒業。2011年より株式会社アキ工作社に勤務。製品設計をはじめ、グラフィックデザインやCGコンテンツ製作など様々なデザイン業務に携わる。2014年独立。プロダクトデザインを担当した株式会社TAGCASTの屋内位置情報サービス「TAGCAST」が、CEATECソーシャル・イノベーション部門のグランプリを受賞。 2017年「竹田の小さなものづくり工房『ヘソラボ』」を設立。デジタルファブリケーションスペースとしての運営のかたわら、オリジナルプロダクトの開発も行う。

中西 美香 (なかにし みか)

陶芸家

大阪府生まれ。雑貨店勤務時に和食器に興味を持ち、陶芸を始める。2000年東京国分寺「陶夢工房」で本格的に作陶に打ち込み、5年後に独立。ギャラリーやショップ、青空マルシェ等で展示販売を行う。2014年大分県竹田市へ移住。2015年から自身の器や古道具を扱う「アトリエ&ギャラリー月函」を主宰。日々の暮らしに溶け込む、シンプルで使いやすい器を製作する。竹田の樹々の灰を用いた釉薬を使用したシリーズをはじめ、竹田の豊かな自然を感じられるような器作りに取り組む。

中村 秀利(なかむら ひでとし)

WARAUHANA店主

アンティークランプを扱うお店「WARAUHANA」を主宰。ランプの修復を手掛けるうち、その形や機能を咀嚼、解釈し自分自身でも作ってみたいという気持ちが強まり、オリジナルのランプを製作するようになる。主に木材を使ったスタンド型の照明やシェード等を制作。一見欠点と思われるような割れ、欠け、虫食い、毛羽立ちなど、自然の持つ個性を活かし、理想の姿と調和させることに思いを巡らせながら、制作に励む。

〈些事を投げる〉は2018年10月の新作発表までの道のりを山本千夏さんの言葉でお伝えする無料冊子です。デザインを猿山さんが手掛けて下さいます。温かくも、ユーモアのある文章でプロダクトや竹田との関わりを綴って下さいます。2018年秋までに第四章までの発行を予定しています。全国のショップ等に送付させて頂ますので、お見掛けの際は、是非手に取ってご覧ください。冊子をご希望の方は下記URLより承ります。

TAC2017|猿山修×竹田在住クリエイター