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2017-09-15

[report:2017/08/23-24]キュレーター・花田伸一さんによるアトリエ訪問/竹田下見[竹田市在住アーティストとの協働プロジェクト]

「過疎地でアーティストが暮らし制作し続けるために何が必要か、その試み」

現在およそ40名の移住アーティストが暮らす大分県竹田市は、高齢化率44%、75歳以上の人口比率である後期高齢化率は25%で、1980年には36,000人いた人口は、約22,000人となっており、今後も過疎化が進むと考えられます。
地域で人が減っていく中で、いかに多様な人材を確保し、地域で暮らし続けるために必要なこととは。

多様な価値観の存在を提示する「アーティスト」およびその周辺の人材を中心に据えて、彼らが「作品のレベルアップをしつつ過疎地で暮らし続けるために必要なこと」をテーマに、まずは2018年秋に行われる「国民文化祭・おおいた2018」に向けて、ゲストにキュレーターの花田伸一さん(佐賀大学地域デザイン学部准教授)を迎え、竹田市在住アーティストの「グループ展」(仮)をはじめとしたプロジェクトがはじまります。

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小学生の時に家族旅行で一度、竹田にいらした記憶がある、という花田さん。
【工芸・デザイン】の分野でゲストとして招聘している猿山修さん・山本千夏さんのように、何度も竹田にいらしておらず、今回の8月23日・24日の下見が事実上、花田さんにとって、ほぼ「初めて」の来竹です。

初めての竹田、ということで、【アート】の分野の作家さんのアトリエ訪問をする以外は、「まずは竹田を知っていただきたい」と、会場エリアとなる城下町エリアを中心に、市内の代表的な場所をめぐりました。

まずは竹田市在住アーティストのアトリエ訪問から。

↑TSG竹田総合学院にある森貴也さんのアトリエへ。 https://www.taketan.jp/spots/detail/758

↑その後、長湯エリアを拠点に活動している山本哲也さんの田んぼへ。

花田さんは、以前、北九州で立ち上げた会「槻田小学校おやじの会」の企画のひとつとして、空き地となっていた元住宅地を農地にし、作物を育てたことがあるそう。竹田市に移住してから農業をはじめ、最近は田んぼでの作業をテーマに作品を制作している山本さんの話に耳を傾けていました。

↑その後、城下町エリアに移動し、美術ユニット・オレクトロニカが、リノベーションを手がけ運営している「gallery傾く家」へ。
熊本で個展の最中だった、ということもあり、オレクトロニカ自身が2011年に竹田に移住して来てリノベーションを行った空間が露わに。

「竹田」と言ったら、岡城跡に行かないと! https://www.city.taketa.oita.jp/okajou/
2日めも、初日同様、夏らしく暑かったので、午前中のうちに岡城跡に行きました。

ちょうど、TAKETA ART CULTURE 2017に参加の写真家・鹿野貴司さんが、東京から竹田にいらしていたので、鹿野さんも一緒に行動することに。
■ 鹿野貴司 HP: http://www.tokyo-03.jp/   blog: http://blog.tokyo-03.jp/


↑岡城跡からTAKETA ART CULUTRE 2017会場エリアである城下町エリアを臨む。


岡城跡に鎮座する、朝倉文夫作の瀧廉太郎像の前で、みんなで記念写真。
夏らしく、良い天気に恵まれたので、瀧廉太郎像の後ろには、九州でいちばん標高が高いエリアである、くじゅう連山の稜線もくっきり綺麗に臨むことができました。

岡城跡にのぼった後は、城下町散策へ。


↑キリシタン洞窟礼拝堂。フランシスコ・ザビエルによりキリスト教が日本に入って以降、竹田市エリアは積極的に布教活動が行われた地域のひとつだったそうです。


↑竹田市城下町エリアは、西南戦争で焼けているので、ほとんど城下町らしい風景は限られているのですが、現役城下町だった時の面影を残す武家屋敷通り。

豊後南画家・田能村竹田が暮らし、拠点としていた、国の史跡「旧竹田荘」へ。


↑「オオイタサンショウウオだよ」。旧竹田荘の管理人さんが、旧竹田荘で生息しているオオイタサンショウウオを見せてくださいました。
旧竹田荘の裏は、崖になり、始終日陰のエリアがあります。オオイタサンショウウオたちは、崖を含む日陰のエリアで暮らしています。

オレクトロニカの作品も設置されている、今年2017年5月にオープンした、竹田市立図書館へ。

「知と感性のプラットフォーム」竹田市立図書館では、オレクトロニカ作品のほか、関根直子さんや”スギコダマ”有馬晋平さんの作品も楽しむことができます。

限られた時間の中、城下町散策に一区切りをつけ、みんなで「友修」でランチを。

かぼすが収穫できる”今”の時期だけ楽しめる「かぼすそば」をいただきました。

午後は、前日訪問できなかった、森山楓さんのアトリエへ、TSG竹田総合学院へ。

一泊二日の竹田滞在の締めくくりは、竹田市在住クリエイターや「竹田うまれ」のプロダクトを紹介する真抄洞shinshodoで打ち合わせをしました。

今回の下見を経て、花田さんの竹田のキーワードは、「茶」と「文人画」文化、「隠れキリシタン」。この3つを現時点のベースに、2018年秋に行う、竹田市在住アーティストによる「グループ展」(仮)に向けて、動くことになりました。

TAKETA ART CULTURE 2017 会期中には、本プロジェクトのキックオフとして、10月21日(土)に「歴史アートまちあるき」を行います。
地域も支えるアーティストの活動。
竹田市城下町エリアを拠点に活動した豊後南画家・田能村竹田や、その弟子直入(ちょくにゅう)が見つめた「アートの原風景」を探しに、キュレーターの花田伸一さんと、「歴史・文化」の学芸員の中西義昌さんと一緒に、竹田市城下町エリアを歩きましょう。

花田さんと中西さん、ふたりの学芸員による竹田市城下町 歴史アートまちあるき&クロストーク 中西めがねvol.3

豊かな自然と長い歴史の中で、「茶」や「文人画」文化、「隠れキリシタン」等、さまざまな文化がジャンルを超えて色濃く交じり合う「麗郷竹田」。
アートを通して地域文化の掘り起こしを行うTAKETA ART CULTUREが、歴史の「めがね」をかけて現在と過去を行ったり来たり。大分県竹田市城下町エリアのあちこちに散らばる痕跡・軌跡を「発見」する試みです。
第3弾となる今回は、「歴史・文化」の学芸員に、「アート」の学芸員が新たに語り手として参画します。それぞれの専門的な視点を切り口とした「まちあるき」と「クロストーク」で竹田市城下町エリアを歴史的背景から現代と結びつけて体感します。
豊後南画家・田能村竹田が、暮らしと制作の拠点とした城下町竹田。田能村竹田やその弟子たちをはじめとしたアーティストの活動は、地域の人々に支えられ、その系譜は戦後まで受け継がれました。城下町エリアには今も田能村竹田やその弟子たちゆかりの場所が数多く残っています。田能村竹田とその弟子・直入たちが見つめた「アートの原風景」を見つけに、TAKETA ART CULTURE 会場エリアでもある城下町を歩きます。

日時:2017年10月21日(土)13:30〜15:30 ※終了予定(受付開始/13:15)
まちあるき:1時間程度/クロストーク:30分程度
集合場所およびクロストーク会場:旧馬場家具(竹田市大字竹田町455)
まちあるきエリア:竹田市城下町エリア(TAKETA ART CULTURE 会場エリア)
参加無料
定員:15名
参加方法:事前申込/先着順
お名前、昼間連絡が可能な電話番号(携帯電話番号)を明記の上、E-mailにてお申し込みください。
E-mail: taketaartculture@gmail.com

共催:大分県

■「語り手」プロフィール

花田伸一 Hanada Shinichi(キュレーター)

1972年福岡県福岡市生まれ。北九州市立美術館学芸員、フリーランスを経て2016年より佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授。
主な企画『6th北九州ビエンナーレ~ことのはじまり』『千草ホテル中庭PROJECT』『ながさきアートの苗プロジェクト2010 in 伊王島』『街じゅうアート in 北九州2012 ART FOR SHARE』『ちくごアートファーム計画』。企画協力『第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014』『釜山ビエンナーレ2014特別展』他。韓国、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム美術調査。

中西義昌 Nakanishi Yoshimasa(北九州市立自然史・歴史博物館)

1973年大阪府生まれ。九州大学大学院工学研究科建築学専攻、工学修士。
同大学院比較社会文化研究科日本社会文化専攻、博士(比較社会文化)。
2000年~2009年:竹田市立歴史資料館
2012年~現在:北九州市立自然史・歴史博物館

■「中西めがね」開催経緯

2014年9月に開催したTAKETA ART CULTURE 2014終了後、参画メンバーで行った反省会で、会場で作品看視をしている際、お客様と話をする中で、竹田の町について質問を受けることがあり、竹田市城下町の歴史を知りたい、という声があがりました。
単に歴史を知るだけではなく、現代の生活、アートやクリエイティブなこととつなげて楽しく話ができる、竹田アートカルチャーらしい歴史講座を企画しようということになったときに、中西義昌さんの名前が挙がりました。
中西さんは、10年間、竹田市歴史資料館の学芸員をつとめ、現在は北九州市で学芸員をなさっています。
2015年6月に第一弾としてミニレクチャーと歴史さんぽを開催、今回はその3回めとなります。

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